2025年1月12日(日)・13日(月・祝)の2日間にわたって「第11回全国史料ネット研究交流集会 in 神戸」を開催しました。本集会では、阪神・淡路大震災を契機に発足した歴史資料ネットワーク(神戸史料ネット)の30年の歩みを振り返り、2つのセッションを通じて、あらためて地域の歴史文化や歴史資料の継承を社会全体で共有することの必要性を議論しました。

第11回全国史料ネット研究交流集会 in 神戸

【日時】2025年1月12日(日)13:30~17:20
    2025年1月13日(月・祝)10:00~15:00
【会場】神戸大学統合研究拠点コンベンションホール

【主催】第11回全国史料ネット研究交流集会実行委員会/人間文化研究機構ネットワーク型基幹研究プロジェクト「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」
【共催】科学研究費補助金特別推進研究(課題番号:19H05457)「地域歴史資料学を機軸とした災害列島における地域存続のための地域歴史文化の創成」(研究代表:奥村弘)/神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター
【後援】国立文化財機構文化財防災センター/あらいぐま明石/あらいぐま大阪/甲州史料調査会/NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク/山形文化遺産防災ネットワーク/そうま歴史資料保存ネットワーク/ふくしま歴史資料保存ネットワーク/茨城文化財・歴史資料救済・保全ネットワーク/とちぎ歴史資料ネットワーク/那須資料ネット/群馬歴史資料継承ネットワーク/NPO法人歴史資料継承機構じゃんぴん/北総地域資料・文化財保全ネットワーク/千葉歴史・自然資料救済ネットワーク/地域史料保全有志の会/信州資料ネット/新潟歴史資料救済ネットワーク/いしかわ歴史資料保全ネットワーク/東海歴史資料保全ネットワーク/歴史資料保全ネット・わかやま/山陰歴史資料ネットワーク/岡山史料ネット/広島歴史資料ネットワーク/歴史資料ネットワーク・徳島、愛媛資料ネット/高知地域資料保存ネットワーク/熊本被災史料レスキューネットワーク/宮崎歴史資料ネットワーク/鹿児島歴史資料防災ネットワーク

【参加者】12日:対面110名、オンライン60名 合計170名/13日:対面101名、オンライン59名 合計160名/合計:対面211名、オンライン119名 合計330名 

【プログラム】
 総合司会:仲田侑加(歴史資料ネットワーク)

■1月12日(日)

  • 開会挨拶:木部暢子(大学共同利用機関法人人間文化研究機構機構長)、奥村弘(第11回全国史料ネット研究交流集会実行委員長)
  • 趣旨説明:跡部史浩(歴史資料ネットワーク)
  • 第1セッション:阪神・淡路大震災から30年 地域歴史遺産の現在
    報告:小野塚航一(歴史資料ネットワーク/国立歴史民俗博物館)、辻川敦(あまがさきアーカイブズ)、季村範江(震災・まちのアーカイブ)、百済正人(兵庫県立御影高等学校)・辰巳楽々(兵庫県立大学環境人間学部)、松岡健(神戸新聞社)
    司会:天野真志(国立歴史民俗博物館)、戸部愛菜(歴史資料ネットワーク)
    コメント:藤田明良(歴史資料ネットワーク副代表)

■1月13日(月・祝)

  • 第2セッション:水損資料対応の20年を振り返る
    報告:藤木透(佐用町教育委員会)、下向井祐子(広島県立文書館)、篠原佳代子・田中睦美(あらいぐま大阪)、中南晶一(あらいぐま明石)、北村美香(大阪市立自然史博物館)、板垣貴志(山陰歴史資料ネットワーク)、松下正和(歴史資料ネットワーク)、河野未央(歴史資料ネットワーク)
    司会:加藤明恵(歴史資料ネットワーク)、戸部愛菜(歴史資料ネットワーク)
  • ポスターセッション
  • 総括
    奥村弘(歴史資料ネットワーク代表委員)
  • 総合討論:首都圏地域における資料保存・継承の可能性
    登壇者:奥村弘、藤田明良、松下正和、小野塚航一
    司会:川内淳史(NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク)、中野賢治(山梨県立博物館)
  • 閉会挨拶:若尾政希(大学共同利用機関法人人間文化研究機構理事/一橋大学名誉教授、特任教授)、大国正美(歴史資料ネットワーク)

NHKの「みみより!解説」にて、本集会や各地の資料ネットの活動を取り上げていただきました。

阪神から全国へ 「資料レスキュー」30年 - みみより!解説 - NHK

1月17日で阪神・淡路大震災から30年です。地震や水害で被災した歴史資料などを後世に残す活動について詳しく解説します。

神戸新聞NEXTの社説で、本集会のことを取り上げていただきました。

<社説>災害と文化遺産/保全する意義と課題の共有を|オピニオン|神戸新聞NEXT

 豊かな歴史を歩んできた「五国」が集まる兵庫県は、全国でも有数の文化財保有県として知られる。しかし30年前に発生した阪神・淡路大震災では、国・県の指定文化財に限らず、数多くの大切な文化的・歴史的な遺産が被災した。修復された建造物や美術工芸品などがある一方で、失われてしまったものもある。この経験は、地域の個性を形づくる上で文化遺産がなくてはならないものであると気付かせる契機になった。